精神疾患

パニック障害・うつ病・自律神経失調証などでお悩みの方へ

私が心の病に重点を置く理由

 私が東洋医学の世界に本格的に足を踏み入れたのは、ある「うつ病」の患者さんを治せなかったことがきっかけです。当時は中医学の勉強を始めて間もない頃でした。友人が「うつ病」になり、私が治療させていただくことになりました。中医学の専門書通りに弁証し、それに書いてある通りの経穴(ツボ)に鍼をしても全く効果がありません。中医学に大いなる希望を見出していた私にとって、非常にショックな出来事でありました。当時在籍していた中医学研究会の先生に相談したが、その先生にも「自分には治せない」と治療を断られました。
そんな時出会ったのが今の師匠です。友人の治療に毎週付添い、治療を見学させていただきました。すると、みるみるうちに表情が変わり、症状が消失してゆくのです。完治までは1年以上かかりましたが、今では私以上に元気で仕事をしております。その治療に感動し、私は師匠に弟子入りを志願したのです。

 現在、私の治療院にも心を病んでしまった患者さんが多く来院されております。患者さんの多くは「自分の病は治らないもの」だと信じてしまっています。ですから、治療はまずその「凝り固まった心」をほぐすことから始まります。いかに素晴らしい治療でも、心の病を治すのはとても難しいことです。簡単には治りません。しかし、薬やカウンセリングでこういった病を治すよりも、鍼を通じて人と人の心を通い合わせることにより治す方がとても自然であるように感じます。

こういった心の病を西洋医学ではどのように捉えているのでしょうか?

精神疾患で比較的多い病気の特徴

1.統合失調症

統合失調症は、10代から40代くらいまでの比較的若い世代に起きやすく、約100人に1人の割合でかかる病気です。
症状には個別差がありますが、幻聴や妄想、思考障害、興奮症状等があり、これらはまとめて陽性症状と呼ばれます。また意欲の低下や自閉傾向など、これらは陰性症状と呼ばれます。このような症状をともなって、多くは20歳前後に発病します。
西洋医学的には原因ははっきりしていません。その人の生まれ持った素質、生まれてからの能力・ストレスに対する対応力、ストレスを引き起こすような環境要件などが絡み合って発症すると考えられています。
西洋医学的治療は、薬物療法、精神科リハビリテーション、精神療法等があります。


2.気分(感情)障害

気分障害は、大きく双極性感情障害(躁うつ病)うつ病の二つのタイプに分けられます。
うつ病は、以前は躁うつ病のひとつのタイプに含めていましたが、現在は、独立した診断名としてあつかわれる傾向にあり、従来の躁うつ病と同じ意味では双極性障害が用いられています。双極性感情障害は、気分が高揚し、生気がみなぎって活動的となる時期(躁病エピソードと、気分が落ち込み、元気がなく活動性が下がる時期(うつ病エピソード)を相互に繰り返す病気です。エピソードはふつう完全に回復します。躁病エピソードだけを示す患者は比較的少ないですが、そのような場合も双極性障害と診断されます。
一方、うつ病は、うつ病エピソードだけがみられる病気です。
この病気にかかると、患者は通常、気分が沈み、興味や喜びが失われ、生気がなく活動的でなくなります。ちょっとしたことでも、ひどく疲れやすく感じます。そのほかにも、集中力・注意力の低下、自信の低下、自責感が目立ち、将来を悲観して、自殺を考えるようになったりします。時々、イライラ感や不安感が目立ち、かえって落ち着きがなくなる場合もあります。うつ病にかかった患者は、気分転換や慰めにもほとんど反応しませんが、朝方悪くて、夕方には少し症状が軽くなるという日内変動がみられることがあります。
国民の約15人に1人がこれまでにうつ病にかかったことがあるにもかかわらず、その4分の3は医療を受けていないといわれており、うつ病が国民にとって非常に身近な問題であるにもかかわらず、その対応が適切になされていないのが現状です。


3.神経症性障害

神経症の症状は多彩で、様々なタイプがありますが、その大部分が心理的原因と関連していると考えられています。
身体的な原因やはっきりとした理由が見つからないにもかかわらず、機能的な障害をもたらすにで、周囲が感じるよりも患者の苦しみが強いという特徴があります。
もともと神経症の分類は心理学的な理論に基づいてできたものですが、現在は、その症状のタイプによって、パニック障害、全般性不安障害、恐怖症性障害、強迫性障害、重度ストレス反応・適応障害、解離性障害、身体表現性障害、離人現実感喪失症候群などに分類されています。これらの病気は、それぞれ特徴のある症状や経過をたどりますが、いずれも心理的な要因が関与しているだろうと推測されています。社会や文化的背景によっても症状には違いがあるといわれています。

東洋医学では心の病を以下のように捉えております。



【病因病機】
情志という素因は鬱証の病因である。しかし、情志が鬱証を形成するか否かは精神刺激の強度や持続時間の長短と関係があるとともに、生体自身の状況とも極めて密接な関係がある。
(1)憂慮鬱怒し、肝気鬱結す
(2)憂愁思慮し、脾が健運を失う
(3)情志は過極し、心は養う所を失う
病理変化は心、肝、脾と密接な関係がある


【弁証】
(1)肝気鬱結
症状:精神抑鬱、情緒不安、胸部満悶、脇肋脹痛し、痛む処は一定でなく、脘悶噯気、飲食を思わず、大便不調、舌苔薄膩、脈弦。
治法:疏肝解鬱、理気

(2)気鬱化火
症状:性情急躁して怒り易く、胸脇脹満、口苦し乾、あるいは頭痛、目赤、耳鳴、大便秘結、舌紅、舌苔黄、脈弦数。
治法:疏肝解鬱、清肝瀉火

(3)血行鬱滞
症状:精神抑鬱、性情急躁し、頭痛、不眠、健忘となる。あるいは胸脇疼痛し、あるいは身体のある部位の発冷、または熱感がみられる。舌質紫暗あるいは瘀点、瘀斑、脈弦あるいは渋。
治法:活血化瘀、理気解鬱

(4)痰気鬱結
症状:精神抑鬱し、胸部悶塞、胸肋脹痛し、咽中に梗阻物があるようで呑み込んでも下らず、喀出しようとしても出ず、舌苔白膩、脈弦滑。
治法:行気解鬱、化痰散結

(5)心陰虧虚
症状:心悸、健忘、不眠、多夢、五心煩熱、盗汗、口咽乾燥、舌紅少津、脈細数。
治法:滋陰養血、補心安神

(6)心脾両虚
症状:色々と考えて疑い深くなり、頭暈神疲、心悸胆怯、不眠、健忘、食欲不振、顔色に艶がない、舌質淡、苔薄白、脈細。
治法:健脾養心、益気補血

(7)肝陰虧虚
症状:眩暈、耳鳴、目乾畏光、目がかすみ、あるいは頭痛頭脹し、顔面紅、目赤、急躁し怒り易く、あるいは肢体はしびれ、筋肉がピリピリと痙攣する。舌乾紅、脈弦細あるいは数。
治法:滋陰陰精、補益肝腎

(8)心神惑乱
症状:精神恍惚、心神不寧、疑い深く驚き易く、悲憂しよく泣き、喜怒は常視を失くし、あるいは手足を振り回し、大声で罵り、わめくなど種々の症状がみられる。舌質淡、脈弦。
治法:甘潤緩急、養心安神


参照 実用中医内科学 上海科学技術出版社



 このように、東洋医学では、統合失調症、気分障害(双極性感情障害、うつ病)、神経症性障害(パニック障害、全般性不安障害、恐怖症性障害、強迫性障害、重度ストレス反応・適応障害、解離性障害、身体表現性障害、離人現実感喪失症候群)といった病名に対して治療するのではなく、上記のようなに対して治療していきます。
例えば、同じうつ病であっても、証が肝気鬱結であれば太衝・百会・肝兪・内関といった肝の臓に関わる経穴(ツボ)を使うが、もし心脾両虚という証を立てた場合、使う経穴(ツボ)は、神門・太白・心兪・脾兪といった心や脾の臓に関わる経穴(ツボ)を使うことになるのです。つまり、同じ病名であっても症状や体質が違えば治療が異なるのです。

 これを同病異治といいます。
同じ病名であっても、症状まですべて同じであるとは限りません。症状が違うのにすべての患者さんに対して同じ治療を施して効果があるのでしょうか?東洋医学では症状や、その他の体表所見から病の本質を導き出し、それに対して治療を行います。

薬をやめたい!!

 当院へ問い合わせをして下さる患者さんの多くは、とにかく薬をやめたいあるいは薬を減らしたいと願っていらっしゃいます。酷いケースでは10〜20種類以上の薬を服用していらっしゃる方もおられます。しかし、一度薬を服用し始めるとなかなか手放すことが難しいようです。

 西洋医学では「精神安定剤」と呼びますが、我々は「精神固定剤」と呼びます。
精神を安定させるのではなく、固定させているのです。ですから精神状態が良くなるというよりも、そのままの状態で固定してしまうのが「精神安定剤」「固定剤」なのです。
またこういった類の薬は副作用も多いのです。これでは何のために薬を飲んでいるのかわかりません。しかし、鍼灸なら副作用もなく精神を固定させるのではなく、明るい精神へ、活発な心へ、人間本来の精神状態へと回帰させてくれます。

なぜ鍼で心の病を治すことができるのか?

 よく重度のうつ病や自閉症の患者さんが、イルカや犬などの動物と触れ合うことにより症状が緩和されるといったニュースをみかけますよね。あれは純粋な魂を持つ動物との魂の交流により、病人の心が癒されている事を意味します。
我々は鍼灸を医学としてとらえており、患者さんの脈や舌、経穴(ツボ)の状態や症状を通じて病の本質を導き出し、それに対して治療を施します。ですから、診立てを間違えれば効果を挙げることは出来ません。しかし、鍼はそういった医学的な一面とともに、「癒し」という一面も持ち合わせております。鍼を通じて魂の交流、気の交流をはかることにより、人の心は癒されていくことを臨床においてはよく体験することです。

 当院には10年20年と心を患い、薬やカウンセリング、さまざまな民間療法を試したけども効果がなく、苦しんできたという患者さんが多くいらっしゃいます。世の中にはまだまだそういった苦しみから抜け出せずにもがき続けている方が多くいらっしゃるのだと思います。
我々の鍼灸が、そういった方々の一筋の光明になれたらと願ってやみません。


輝鍼灸院 院長 原 元氣




パニック障害・うつ病・自律神経失調証などに関するお問い合わせは、
下記電話番号かメールでお送りください
電話番号:078-600-3556
メールでのお問い合わせ